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山芋の栄養を徹底解説!精力・美容・健康を支える成分と効果まとめ

山芋の栄養を徹底解説!精力・美容・健康を支える成分と効果まとめ

山芋を毎日の食事に取り入れれば、精力維持や美容・健康促進効果を高められるといいます。そのため、山芋を日常的に摂取したいと考えており、具体的な栄養や効果、食べ方のポイントなどを知りたいという人は多いでしょう。食材のバランスを考えて摂取する際は、より効率的に栄養を吸収できる食べ方・レシピを知ることが重要であり、あわせて摂取における注意点を理解することも欠かせません。

そこで今回は、山芋の栄養や期待できる効果をわかりやすく解説していきます。どのような効果・働きに期待できるのかを具体的にチェックしたうえで、より効果的に、山芋を毎日の食生活に取り入れていきましょう。

目次

山芋には滋養強壮や美容に役立つ豊富な栄養素が含まれている

まずは、山芋の栄養素を具体的にチェックしていきましょう。

山芋は、日本の食文化において古来から根付いているといえる食物であり、栄養価の高さにも期待が持たれています。豊富な栄養素を含むため、滋養強壮や美容に役立つという見方もあり、「山薬」と呼ばれることがある点も特徴です。山芋に含まれる豊富な栄養素は、主に、以下が挙げられます。

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • カリウム
  • マグネシウム
  • リン
  • 亜鉛

このようにビタミン群やミネラル群が豊富に含まれていることが、山芋も大きな特徴です。植物性の食材でありながら、たんぱく質を豊富に摂取できることも、特筆すべきポイントと言えるでしょう。また、山芋にはジオスゲニンと呼ばれる植物性ステロイドがあることも大きな特徴であり、これはホルモンバランスを調整する役割を持つと考えられます。

ほかには、胃腸の粘膜を保護することで消化吸収をサポートする効果に期待できるムチンも、山芋には豊富に含まれています。山芋を食べれば、上記のような栄養素を摂取することで毎日の健康・美容に総合的にアプローチできる可能性があるため、山芋は滋養強壮・美容の効果に期待できると言われているのです。

消化酵素やビタミン群が豊富で内臓をサポートする

山芋は、通俗的に「医者いらず」と呼ばれることがあるほど、健康効果が高いとされています。山芋は消化酵素やビタミン群を豊富に含んでおり、内臓をサポートする効果に期待が持てるからです。

山芋が持つ消化酵素には、ジアスターゼがあり、ジアスターゼはデンプンを分解したうえで消化を補助する役割があることが特徴です。したがって胃腸が弱っているときなどは、山芋を摂取することで、胃腸に対する負担を抑えられます。体調不良やストレスを抱えている際は、それに伴って消化不良を起こすケースがあるため、そのような場合にも山芋はおすすめの食べ物といえます。

さらに、内臓のサポート効果の高さに期待できる理由として、ビタミン群が豊富に含まれていることも注目すべきでしょう。ビタミンB1は、糖質の代謝を促したうえで、疲労回復サポートに作用することが特徴です。

また、ビタミンB2は皮膚・粘膜の健康維持において重要な役割を果たしており、ビタミンCは抗酸化作用を持つため身体全体の酸化ストレスに備えられます。ほかには体内の余分な塩分を排出する役割を持つカリウムも含まれているため、山芋を摂取すれば、腎臓の負担を抑えることにもつながる可能性があります。

美容成分ムチンや食物繊維が腸内環境を整えてくれる

山芋の栄養における大きな特徴といえば、美容成分の一つとして知られるムチンや、食物繊維を摂取できることも挙げられます。山芋といえば粘り気が特徴的であり、この粘り気には、美容成分のムチンが関係しています。

山芋の粘り気には、胃腸の粘膜を守るコーティング作用があり、円滑な消化吸収につなげていくことが大きな特徴です。結果、腸内環境を整え、総合的に健康・美容効果を高める効果に期待できることがポイントです。ムチンは腸内において善玉菌のエサになるため、腸内フローラのバランスを整えることで、免疫力アップや肌荒れ防止にもつながる仕組みです。

なお、山芋には水溶性・不溶性、両方の食物繊維が豊富であることも注目しておきましょう。水溶性食物繊維は腸内細菌の食物となることで善玉菌増加につながり、不溶性食物繊維は腸の腸の蠕動運動をサポートします。

腸の蠕動運動とは、消化管の壁が収縮することで、内容物がスムーズに流れるように働きかける運動のことです。これら2種類の食物繊維をバランス良く摂取できるため、山芋は腸内環境を整えるうえで、栄養価が高いとされているのです。

アミノ酸や亜鉛など男性に嬉しい精力サポート成分も含有

山芋には、アミノ酸や亜鉛など、男性に嬉しい精力サポート成分も含まれていることも特徴です。必須アミノ酸の一つであるアルギニンは、血行促進効果が期待でき、男性機能の向上につながると考えられます。

アルギニンは、身体の中で一酸化窒素生成をサポートするため、血管拡張によって血流改善の効果が見込めます。このような作用・効果が、男性の精力維持につながるとされているのです。

また、山芋に含まれる豊富な亜鉛は、男性ホルモン生成に欠かせない重要なミネラルにあたります。具体的には、精子の生成や質向上につながる栄養素のため、男性の健康維持には魅力の大きい栄養素といえます。現代日本の食生活では、亜鉛は摂取しにくいといわれているため、山芋は貴重な食物と言えるでしょう。

さらに山芋には、ホルモンバランスを調整する働きを持つ、ジオスゲニンが含まれていることも特徴です。サプリメントや薬に頼らない形で男性の活力維持につながる可能性があるため、男性にとって山芋は、健康をサポートする重要な食べ物にあたります。

山芋を日常的に取り入れることで得られる美容と健康へのメリット

ここで、山芋を毎日の食生活の中に取り入れるメリットをチェックしていきましょう。主なメリットは、以下の通りです。

  • 消化促進と効率的な栄養吸収
  • 胃腸に対する負担軽減
  • 代謝の活性化
  • 老廃物排出作用による肌の透明感・ハリの維持 など

山芋には消化酵素が含まれるため、日常的に取り入れるようにすれば、胃腸への負担を総合的に抑えられる可能性があります。そのため、胃もたれなどの食後の不快感を慢性的に抱えている人にとっては、大きなメリットになり得るでしょう。

また、山芋にはビタミンやミネラルが豊富に含まれるため、代謝の活性化・老廃物の排出効果につながる可能性があります。結果、肌の透明感・ハリの維持などの美容効果・メリットにも期待が持てる仕組みです。ニキビなどの肌トラブル、加齢に伴うくすみ・乾燥などの防止効果にも期待できるでしょう。

なお、継続的に山芋を摂取していれば、血糖値の急激な上昇を抑えられる可能性もあります。そのため、糖尿病予防や肥満防止などの効果にもつながる場合があります。

女性に嬉しい肌荒れ改善・ホルモンバランス調整への効果

女性が山芋を摂取するメリットは、肌荒れ改善や、ホルモンバランス調整などが主に挙げられます。山芋にはビタミンC・ビタミンEが含まれており、それぞれの栄養素は抗酸化作用を持つことが特徴です。

これらは活性酸素から肌を保護し、コラーゲン生成を促進すると考えられます。結果、肌のハリや弾力がキープされるため、加齢に伴うシワ・たるみを防ぐことにもつながる可能性があります。

さらに、山芋のねばねば成分であるムチンは、水分保持能力を高めたうえで乾燥を予防する効果にも期待が持てることが特徴です。そのうえで、山芋にはジオスゲニンというホルモンバランス調整成分が含まれているため、人によってはPMSや更年期障害による不調を防ぐ効果にもつながる可能性があります。

ホルモンバランスが乱れる生理の前後では、ニキビなどの肌荒れが起こりやすくなるため、女性にとってホルモンバランス調整につながる食べ物の摂取はメリットが大きいといえます。加えて前述したムチンは、腸内環境を改善する効果にも期待ができるため、山芋は女性にとって、身体の内外でケアにつながる貴重な食物になり得るでしょう。

男性の精力維持・疲労回復にも期待できる自然の健康食材

山芋の栄養価が高いといわれるのは、男性にとっても、精力維持・疲労回復効果が高いとされているためです。現代のストレス社会や「働きすぎ」な環境下では、活力低下や疲労は、多くの男性にとって大きな悩みの一つになります。そのような場合において山芋は、悩みの改善につながり得る自然の健康食材といえます。

まず山芋は、ビタミンB群を豊富に含んでおり、エネルギー代謝において大きな役割を果たすと期待されています。中でもビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換するプロセスにおいて必須の栄養素であり、疲労が溜まりにくい身体を形成すると考えられます。

また、山芋には亜鉛が豊富に含まれていることも特筆すべきポイントといえます。亜鉛は男性ホルモンであるテストステロンを生成するミネラルであり、亜鉛不足は、男性ホルモンの低下やホルモンバランスの乱れを引き起こす恐れがあります。

そのため男性は、日常的に山芋も摂取していれば、継続的にホルモンバランスを整えられる可能性があるのです。精力維持にもつながり得るため、特に加齢などに伴って精力の低下に悩んでいる人には、食事に山芋を取り入れることは効果的といえます。

山芋の効果的な食べ方!生と加熱した山芋では栄養と効果に違いあり

山芋の効果的な食べ方を知る際は、具体的な調理法を考慮して考える必要があります。なぜなら生と加熱した山芋では、栄養と効果に違いが見られるからです。栄養素は熱に弱いもの・強いものがそれぞれあるため、調理法によっては、必要な栄養素をうまく摂取できない場合があります。

例えば山芋の代表的な成分であるムチンの場合は、熱に弱いため、加熱による調理法では効率的に栄養素を吸収できない可能性があります。対して食物繊維や亜鉛などのミネラルは、熱に強い傾向が見られ、加熱調理しても栄養価はあまり失われないことが特徴です。そのため、消化促進効果を高めたい場合は、山芋はなるべく生で摂取したほうが良いといえるでしょう。

代表的な食べ方としては「とろろ」が挙げられ、とろろは、消化酵素の働きがより高まった食べ方として期待されています。一方で加熱によって山芋を調理すれば、山芋ならではのねばねば感が軽減されることで、より摂取しやすくなるメリットがあります。また、加熱すればでんぷん質が消化吸収しやすく変質するため、エネルギーの補給効率が高まるというメリットも感じられるでしょう。

ムチンは加熱で壊れやすいため生食に適している

前述のとおり、山芋を食べるうえでムチンの効果・働きに期待したい場合は、基本的に生食を選ぶことが望ましいです。というのも、ムチンは加熱によって栄養価が損なわれる性質があるからです。山芋を加熱処理すると、ムチンは熱によって分解され、消化促進などの働きにはほとんど期待できなくなるため注意が必要です。

そのため、例えばとろろを作ってご飯にかけて食べるなどの摂取方法がおすすめといえます。ここで、ムチンを取り入れることで期待できる効果をおさらいしておきましょう。主な効果は、以下の通りです。

  • 胃腸の粘膜を保護する
  • 腸内の善玉菌のエサになることで腸内環境を整える
  • 肌に保湿効果をもたらすことっで肌トラブルを未然に防ぐ

山芋の粘り気はこのムチンからきており、摂取すれば、胃腸の粘膜を保護する効果に期待できることが特徴です。この働きは、胃酸から粘膜を守ったり、善玉菌のエサとなって腸内環境をきれいにしたりすることにつながる可能性があります。

また、ムチンには保湿効果もあるとされるため、水分キープの能力を高めることで肌トラブルを防ぐ美容効果も期待できるでしょう。しかし、加熱処理した山芋からはこのようなメリットを持つムチンはほとんど吸収できないため、ムチンを効率よく摂取したい場合はやはり生食が効果的といえます。

生で食べるときは「とろろ」や「短冊切り」で効率よく栄養補給

山芋を生食で食べたい場合は、とろろや短冊切りでの食べ方が効果的です。とろろは山芋をすりおろした状態を指しており、山芋が持つ栄養素を、より効率よく摂取するうえで効果的な調理法とされています。

なぜなら山芋は、すりおろされることで細胞壁が壊され、含まれる消化酵素やムチンがより活性化するためです。結果、継続的にとろろを摂取すれば消化吸収効率が高まり、胃腸の負担を抑えられる可能性があります。とろろを食べる場合は、とろろご飯(納豆をプラスするのもあり)や、そばやうどんと合わせるメニューなどが挙げられるでしょう。

また、短冊切りとは、山芋を薄く切って食べるときの切り方です。「短冊」に似た形になるため短冊切りと呼ばれていますが、具体的な切り方は以下を参考にしてみてください。

  1. 横に置いて4cmほどに切る
  2. 立てた状態で1cm幅に切る
  3. 切り口を下にした状態で、縦に一定幅で切っていく

粘り気で滑ってうまく切れないときは、まな板の上にキッチンペーパーを置くと良いでしょう。山芋を短冊切りにすれば、サラダやカルパッチョのように生でもおいしく食べられ、シャキシャキとした食感も楽しめます。

加熱調理で得られる整腸作用やホットメニューの魅力もある

ムチンを効率よく摂取したいのであれば、山芋の調理法は生食一択ですが、山芋はもちろん加熱調理もおすすめです。山芋には熱に強い栄養素も豊富に含まれているため、加熱調理でも、十分に多くの栄養素を取り入れることができます。特に食物繊維やミネラル、一部のビタミンは、熱に強い性質を持つがゆえに、加熱調理しても多くの栄養素が失われるわけではありません。

加熱すれば粘り気も少なくなるため、山芋特有のねばねば感が苦手な人も食べやすくなるでしょう。焼いたり蒸したりした山芋は、でんぷん質が変質するため、独特な食感を持つようになることも特徴です。素材の甘みも出るため、「生の山芋は苦手だけど…」という人も日常的に摂取できる可能性があります。

このように変質した食物繊維には整腸作用に期待が持てるため、腸内環境の改善につながるでしょう。特に寒い季節は、無理に生食にこだわらないほうが良い場合もあります。

積極的にホットメニューを取り入れれば体も温まり、ビタミンやミネラルの吸収促進につながる可能性にも期待が持てます。加熱調理した山芋のメニューは、生食に比べて保存しやすくなるため、忙しい人でも作り置きできるメリットも感じられるでしょう。

加熱レシピでは炒め物やお好み焼き風で手軽に続けやすく

山芋を毎日の食事の中で摂取する際は、簡単でおいしく、できるだけ飽きの来ない調理法やレシピをチェックしておくと良いでしょう。山芋を加熱調理する際におすすめできるのは、炒め物とお好み焼き風のレシピです。炒め物は、サイコロ状や短冊切りで用意した山芋を、ほかの野菜・肉類とあわせて炒めて仕上げます。

用意するものは野菜・肉類と調味料で完結するうえに、完成までにかかる時間も短いため、一人暮らしでも続けやすいお手頃メニューといえます。短い時間で仕上げる炒め物は、栄養素の破壊や損失を最小限に抑えられるという魅力もあります。なお、調理する際はあわせてにんにく・ショウガなどを炒めると、滋養強壮効果をより高められる可能性があります。

一方でお好み焼き風のレシピは、すりおろした山芋を生地に混ぜ込む調理法が効果的です。山芋のでんぷん質が小麦粉と合わさり、独特の食感が生まれるだけでなく、よりふわふわ感のある仕上がりになることがポイントです。山芋の消化吸収効果が加わることで、普通に作るお好み焼きと比べて消化に良いメニューにもなるでしょう。

山芋の食べ過ぎには注意が必要なポイントもある

山芋には魅力的な栄養素が豊富に含まれているため、人によっては美容・健康のためにより多くの山芋を摂取したいと考える場合もありますが、過剰摂取には注意が必要です。どのような栄養素にも広く言えることですが、大事なのは、より多くを取り入れることではなく適量を守って摂取することだからです。山芋を食べ過ぎれば、以下のようなリスク・デメリットが生まれる場合があります。

  • 消化器系に大きな負担がかかる
  • 胃もたれや下痢などのトラブルにつながる
  • 腎臓結石のリスクが増す

山芋には消化に良い栄養素が豊富に含まれていますが、大量に摂取すればそもそも胃腸に負担をかけてしまうため、本末転倒になります。特に生の山芋を大量に食べる行為は、胃もたれや下痢などのトラブルにつながる恐れがあります。

また、山芋にはシュウ酸カルシウムが含まれており、これは過剰に摂取することで腎臓結石などのリスクを高めることになるため注意が必要です。具体的な摂取量の目安は、1日100g程度までといわれているため、山芋を日常的に食べる際は適量をしっかりと押さえておきましょう。

アレルギー体質の人や消化器系が弱い人は摂取量を意識する

山芋を積極的に取り入れていく場合は、アレルギーにも注意する必要があります。基本的に山芋は、多くの人にとって安全な食材といえますが、一部の人は体質的にアレルギー症状を引き起こす場合があるからです。

山芋にはヤマイモアレルゲンと呼ばれるたんぱく質が含まれており、これがアレルギー症状の原因になるため、アレルギー体質の人はくれぐれも注意してください。具体的なアレルギー症状は、以下の通りです。

  • かゆみ
  • 発疹
  • 赤み
  • 口や喉のかゆみ・腫れ

山芋でアレルギーを起こすと、このように接触性皮膚炎、または口腔アレルギー症候群が見られるため、例えば「とろろを食べて口周りがかゆくなった」などの経験がある人は気をつけましょう。アレルギー症状の経験がある人やアトピーを持っている人などは、はじめのうちは、少量から試しつつ様子を見ることが望ましいです。

また、消化器系が弱い人や胃腸に何らかの疾患・トラブルを抱えている人も、山芋の摂取は注意が必要です。山芋には消化をサポートする酵素が含まれていますが、粘り気が強すぎると、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患などの症状にはかえって負担を増やす場合があります。

食べ過ぎによる下痢・胃もたれ・かゆみなどのリスクに注意

山芋を毎日の食生活の中に取り入れる際は、食べ過ぎることで、下痢・胃もたれ・かゆみなどのリスクを高める可能性がある点にも注意しましょう。基本的に適量を厳守して摂取していれば問題はありませんが、大量に食べ続ければ、消化酵素が腸内で働きすぎてしまうことがあります。

結果、下痢や腹痛などの不快感を引き起こす可能性があり、かえって胃腸に対して負担を増やすことになるでしょう。かゆみの症状は、主にヤマイモアレルゲンによるアレルギー症状として起こる可能性があるため、アレルギーを起こしやすい人は要注意です。山芋の標準的な摂取量は、1日100gが目安とされており、これを超えて継続的に摂取する行為は過剰摂取にあたる可能性があります。

また、摂取量や摂取の有無、調理法は、そのときの体調に合わせて変化させることも大切です。例えば体調不良によって胃腸の調子が良くない中では、大量の山芋を生で食べる行為は、適切な行為とはいえません。山芋を摂取する際は、1日の摂取量と食べ過ぎによるリスクをよく理解し、自分にとって適切な調理法・食べ方を知ることが重要です。

山芋の栄養や食べ方に関するよくある質問に回答

ここからは、山芋の栄養や食べ方について、よくある質問をチェックしていきましょう。山芋を食べて健康・美容効果を高めるには、適切な食べ方や注意点などをよく理解する必要があります。山芋の栄養や食べ方についてわからないことが多いときは、よくある質問を見たうえで、事前に疑問や不安を解消しておきましょう。

山芋は毎日食べても大丈夫ですか?

山芋は、適量であれば毎日食べても問題ありません。一般的には、山芋の1日の摂取量は100gが目安とされており、これはすりおろしの状態では1/2カップに相当する量です。山芋には消化酵素・食物繊維・ビタミン・ミネラルなどがたくさん含まれているため、日常的に摂取することで健康・美容効果をより高められる可能性があります。

ただし、アレルギー体質の人はヤマイモアレルゲンによってかゆみ・発疹などの症状を引き起こす恐れがあるため、様子を見ながら摂取することが大切です。

また、毎日山芋を食べる際は飽きない調理法を取り入れて工夫することが大切なので、生食と加熱調理を組み合わせるなどの方法が望ましいでしょう。ほかの食材とのバランスを考慮して摂取していくことも、ぜひ忘れないようにしてください。

山芋と長芋・自然薯の栄養はどう違うの?

いずれもヤマイモ科の植物に該当しますが、主に栄養成分や特性において若干の違いがあることが特徴です。山芋と呼ばれるものは大和芋・伊勢芋などの品種がみられ、長芋よりも粘り気が強く、栄養価も高いとされています。これに対して自然薯は、山野に自生する原種に近い品種であり、栽培種の中ではより高い粘り気を持つことが特徴です。

自然薯は栄養価も高く、ビタミン・ミネラル・消化酵素の含有量もより豊富であるため、山芋・長芋と比べると最も高い美容・健康効果に期待できるのは自然薯だといえます。しかし自然薯は希少性がそもそも高いため、現実的な摂取しやすさを考慮すると、日常的に食事に取り入れるのであればやはり山芋が適しているといえるでしょう。

山芋はダイエット中でも安心して食べられる食材ですか?

山芋は、ダイエット中でも摂取しやすい食材といえます。100gあたりの山芋のカロリーは、65~70kcalが目安であり、比較的低いことが特徴です。

炭水化物を含みながらも豊富に食物繊維を取り入れられるため、血糖値の急激な上昇を抑えられる効果にも期待できるでしょう。結果、満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐことでダイエット効果につながる可能性があります。

なお、中でも山芋の消化酵素は食べ物の消化を補助する役割を持つため、栄養を取り入れたうえで余分なものを体内に溜まりにくくしてくれる効果に期待が持てます。また、カリウムが余分な塩分を排出することでむくみを軽減し、結果としてダイエット効果につながる作用にも期待ができるでしょう。

血糖値や糖尿病が気になる人にも山芋は適していますか?

山芋は、血糖値や糖尿病が気になる人にも適しています。山芋には水溶性食物繊維が豊富に含まれているため、糖の吸収スピードをより緩やかにしてくれると考えられます。

さらに、山芋を食べればジアスターゼなどの消化酵素も摂取できるため、糖質の消化サポートにつながる可能性があります。なお、すりおろした状態の山芋(とろろなど)は、GI値が低いため血糖値上昇を抑えられる食材にあたるとされています。

とはいえ、摂取する際は過剰摂取には十分に注意しましょう。山芋以外のほかのたんぱく質や脂質のある食品とバランスよく組み合わせて食べ、より効率的に血糖値上昇の防止につなげることが大切です。効果的な食事の内容については、大前提として、医師に相談することも不可欠です。

妊娠中や授乳中に山芋を食べても問題ないですか?

妊娠中・授乳中の女性でも、山芋は安心感を持って食べられる食材です。山芋には葉酸が含まれており、葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害を防ぐ重要な役割を果たすとされています。また、妊婦の健康をサポートする栄養素として、鉄分やカルシウムを摂取できることも山芋の強みです。妊娠中は胃もたれなどの胃腸の不快感に悩まされることが多いため、山芋は、妊婦の体調を改善する食材としても期待が持てるでしょう。

さらに、山芋にはビタミンB群も豊富に含まれているため、母乳の質を高めるうえでも効果があると考えられます。山芋には粘り気成分であるムチンも豊富に含まれており、粘膜保護の働きにより、母体の免疫力維持にもつながる可能性があります。

とはいえ、妊娠中・授乳中はホルモンバランスの変化によって、今まで問題なく食べられていたものが一転して一切受け付けなくなってしまうケースがあります。体調に合わせて食べやすいもので健康を維持していくことが重要であるため、具体的な食材やレシピについては、かかりつけ医にもよく相談してください。

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